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Grunewald ~藍緑の森~ 山本純ノ介作曲☆YouTube に アップしました。

2013年06月20日

☆グリューネヴァルト~ 藍緑の森~(世界初演)   

    

            演奏: 北澤恵美子(マリンバ)

         小山京子(ピアノ)

                  2011年12月19日(東京オペラシティ  リサイタルホール)

 

https://www.youtube.com/watch?v=1FyhMoL7SPU

 

☆リサイタルに寄せて~  作曲   山本純ノ介 ( http://www.miraiongaku.jp/ )

 ベルリンへ空から訪れると美しい藍色と緑色の光景に目を奪われる。汽車の旅はベートーベンの田園そのもの。もう随分前になってしまった。 度々楽しんだあの光景は。

 曲はそれらを説明しているのではない。その美しさに心を奪われた者の一人として「色彩を感じる作品」に心が動き、それに腐心し始め、その作曲を触発された。東山魁夷もきっとあのグリューネに魅せられて、数々の緑の名作を連ねたに違いないと当時確信した。

 演奏はマリンバ (多くの木の意味) と ピアノ(強弱)。ともに藍と緑の森を探訪、彷徨しながら融合、反射など、音のリフレクションを繰り返す。互いの色彩を意識する色彩音楽。カンディンスキーは音から色彩を感じたというが、それは音楽家なら理解できるし、作曲家にとって色彩や光から音や楽想が浮かぶのはそんなに珍しい事ではない。彼が言うように色彩が心に響くのなら、グリューネヴァルトは藍色の色彩を伴った抽象を瞼に描ければ良い。抒情性を感じてはいない。

 森は多くの木々が並ぶ。作曲家もまたその木の一本であり、どこかの斜面にお互いに寄り添いながら倒れそうになっている木や、縄文杉のように孤高に佇むそれもある。いずれもがあって森と成る。私は森の中の一本の木にすぎない。

 森の中の木々は何かを一心に願っている ( 祈っている )。それはアミニズムやシャーマニズムとは何か異なった世界のようだった。機上でそのように感じていた。